ノウチラス号の構築にあたり、頭の中に浮かべただけではなく、おそらく彼は船内の見取り図的なスケッチもこっそりとは描いていたでしょう。そうでなくば、あの濃密な船内描写はありえない…。
どこに何の部屋があり、何がそこに置かれているか…。
小説中、頻繁に登場する"中央階段"は、ネモのノウチラス船内を掌握するさいの大きな核となる部分です。
2階建て構造の船内はこの吹き抜けの階段室によって、1階、2階、そしてボートも結ばれます。
※ 小説では、はしごと記されますが、ペーパーモデル製作の参考にと図化したさい、これを螺旋階段と解釈し、ボートへの搭乗は別のはしごがある… というように再構築してみました。
※ 全体図はコチラを参照ください。
第1部10章から13章までを費やして、ヴェルヌはノウチラス内部を克明に描いてくれています。
いわば"大人の隠れ家"たるシークレットな殻の内部という次第で… おそらく御本人もけっこうこの部分は楽しんで書いたのではなかろうか… とも思えます。
部屋、その構造、家具、その配置といった諸々がそのサイズまで記されていますから、ヴェルヌ自身もそれをイラスト化して自身の備忘としたであろうと考えられるワケです。